医療・ライフサイエンス分野では、「小型化」や「高機能化」が装置開発の常識となっています。
しかし今、開発現場ではその一歩先が大きなテーマになっています。
本コラムでは、装置設計の現場から見た「使いやすさ」への取り組みと、医療・研究の現場で本当に求められている機能とは何かを考察します。
1. なぜ“使いやすさ”が改めて重視されるのか
装置の性能や処理速度だけでは、現場の課題を本質的に解決できないケースが増えています。
- 医療現場では → 忙しい検査技師などの操作ミスを防ぐことが重要。
- 研究機関では → 装置の操作・再現性が研究精度に直結するため、直感的なUIが求められる。
- 海外展開では → 現地ユーザーにとっての使いやすさを考慮しなければならない。
つまり、「使い手の多様性」に応える設計思想が、今後の競争力の鍵になっているのです。
2. ユーザビリティを高める3つの視点
a. 操作性の最適化
タッチパネルのUI設計やメニュー構成の簡素化、ガイダンス表示などを工夫し、「迷わず操作できる」環境を実現。
例:検査工程の進行状況を視覚的に表示するインジケーターの採用。
b. 設置性・可搬性の向上
小型・軽量設計はもちろん、据付時の調整工数を減らす工夫など、現場での“扱いやすさ”も重視。
例:POCTなど、1人で設置・移動が可能な試験装置の開発。
c. メンテナンス性の強化
部品交換のしやすさやエラー通知の明確化など、メンテナンス作業に不慣れなユーザーにも配慮。
例:ツールレスでフィルター交換可能な構造設計。
3. 海外対応=ユーザビリティの拡張
輸出先ごとに異なる言語、習慣、認証制度…。
グローバル展開においてもユーザビリティは重要なファクターです。
- 多言語表示機能の搭載
- 輸送時の耐久性を考慮した筐体設計
- 国ごとの電源仕様・操作習慣に応じたカスタマイズ
などが求められ、ユーザビリティは国境を越えた設計要件になりつつあります。
まとめ
小型化・高機能化は今もなお重要な要素ですが、次の競争軸は“現場で使われ続ける装置”=ユーザビリティの追求です。
医療や研究の現場のニーズに応えるには、「どうすればもっと使いやすくなるか」を徹底的に考え抜いた設計思想が求められています。
ODM / OEMパートナーとして、単に技術提供をするのではなく、“使いやすさを一緒に考える”ことが、顧客の信頼につながるのです。